音声 VLAN
音声VLAN機能は、アクセスポートを通じてIP PhoneからのIP音声トラフィックを伝送するためのものです。Cisco 7960 IP Phoneは、デフォルトでレイヤ3のIP値とレイヤ2のサービスクラス（CoS）値を5に設定して音声トラフィックを送信します。データ送信の均質性が欠けると、IP Phoneの音質が低下することがあります。これを防ぐため、デバイスはIEEE 802.1p CoSに基づくQuality of Service（QoS）をサポートし、ネットワークトラフィックを予測可能な方法で送信します。Cisco 7960 IP Phoneは、トラフィックの優先度を信頼するかオーバーライドするように設定できます。
Cisco IP Phone の音声トラフィック
Cisco IP Phoneと接続するアクセスポートを2つのVLANに設定することができます。1つは音声トラフィック用、もう1つはデバイストラフィック用です。アクセスポートはCDPパケットを送信するように設定され、IP Phoneに対して音声トラフィックを送信する方法を指示します。具体的には、レイヤ2のCoSプライオリティ値のタグ付き音声VLAN、タグ付きアクセスVLAN、またはタグなしのアクセスVLANのいずれかです。
音声 VLAN の設定方法
Cisco IP Phoneに音声トラフィックを効率的に送信するためには、IP Phoneに接続されるポートを設定する必要があります。このポート設定により、IP Phoneは指定された音声VLANを使用し、IEEE 802.1Qフレームを通じて音声トラフィックを伝送します。さらに、IEEE 802.1pのプライオリティタグを使用することで、音声トラフィックに高い優先度を与え、すべての音声トラフィックをネイティブ（アクセス）VLAN経由で転送することができます。また、Cisco IP Phoneは、タグなしの音声トラフィックを送信するか、独自の設定を使用してアクセスVLANで音声トラフィックを送信することも可能です。どの設定を選んでも、音声トラフィックはレイヤ3のIP precedence値（デフォルトは5）を使用して伝送されます。
IP Phone に接続するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
Switch(config)#interface interface-id
Cisco IP Phone の着信トラフィック パケットを信頼するようにインターフェイスを設定します。
Switch(config-if)#trust device cisco-phone
音声 VLAN を設定します。
Switch(config-if)#switchport voice vlan {vlan-id | dot1p | none | untagged}
| vlan-id | すべての音声トラフィックが特定の VLAN を経由して転送されるように IP Phone を設定します。デフォルトでは、Cisco IP Phone は IEEE 802.1p プライオリティ 5 を使用して音声トラフィックを転送します。指定できる VLAN ID の範囲は 1 ～ 4094 です。 |
| dot1p | VLAN ID 0（ネイティブ VLAN）のタグが付けられた音声およびデータ IEEE 802.1p プライオリティフレームを受け入れるよう、デバイスを設定します。デフォルトでは、デバイスは VLAN 0 のタグが付いたすべての音声およびデータトラフィックをドロップします。802.1p に対応するよう設定されると、Cisco IP Phone は IEEE 802.1p プライオリティ 5 を使用してトラフィックを転送します。 |
| none | IP Phone が独自の設定を使用してタグなしの音声トラフィックを送信するようにします。 |
| untagged | タグなしの音声トラフィックを送信するように電話を設定します。 |
着信データ フレームのプライオリティ設定
PCや他のデータデバイスをCisco IP Phoneのポートに接続できます。デバイスはタグ付きデータトラフィック（IEEE 802.1QまたはIEEE 802.1pフレーム）を処理するためにCDPパケットを送信するよう設定できます。CDPパケットは、IP Phoneにデータパケットの送信方法を指示します。PCはCoS値が割り当てられたパケットを生成できます。IP Phoneは、接続デバイスからのフレームのプライオリティを変更しない（信頼する）または変更する（信頼しない）ように設定できます。
Cisco IP Phone に接続するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
Switch(config)#interface interface-id
Cisco IP Phone のアクセス ポートから受信したデータ トラフィックのプライオリティを次のように設定します。
Switch(config-if)#switchport priority extend { cos value | trust}]
cos value ：PC または接続しているデバイスから受信したプライオリティを、指定の CoS 値にオーバーライドするよう、IP Phone を設定します。値は 0 ～ 7 です。7 が最高のプライオリティです。デフォルトのプライオリティは、cos 0 です。 trust PC または接続しているデバイスから受信したプライオリティを信頼するよう IP Phone アクセス ポートを設定します。