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BGPのタイマー
BGP(Border Gateway Protocol)において、キープアライブタイムとホールドタイムは、BGPピア間の接続を維持するための重要なタイマーです。これらのタイマーは、BGPネイバーシップ(ピア関係)の安定性を確保し、接続状態を監視する役割を果たします。
キープアライブタイム(Keepalive Timer)
キープアライブタイムは、BGPピアが定期的に送信するキープアライブメッセージの間隔を示します。キープアライブメッセージは、隣接するBGPルータとの接続が依然として有効であることを確認するために使用されます。
- デフォルト値: 通常、60秒に設定されています。
- 役割: 隣接するBGPピアが正常に動作しているかどうかを確認し、接続が有効であることを示す。
- 送信頻度: この時間間隔で、BGPルータはキープアライブメッセージを送信します。これにより、ホールドタイムが経過する前に接続が維持されます。
ホールドタイム(Hold Time)
ホールドタイムは、BGPルータが隣接するBGPピアからキープアライブメッセージや他のBGPメッセージを受信せずに接続が切れたとみなすまでの時間間隔を示します。
- デフォルト値: 通常、180秒に設定されています(ただし、異なるベンダーや環境によって異なる場合があります)。
- 役割: 隣接するBGPピアとの接続が失われたことを検出するための時間枠を提供する。
- 動作: この時間内にキープアライブメッセージが受信されない場合、BGPルータは接続が失われたとみなし、ネイバーシップを終了します。
キープアライブタイムとホールドタイムの関係
- ホールドタイムの設定: BGPネイバーシップが確立される際に、両方のピアはホールドタイムをネゴシエートします。小さいほうのホールドタイムが採用されます。
- キープアライブタイムの設定: 一般的に、キープアライブタイムはホールドタイムの1/3に設定されます。これにより、キープアライブメッセージが定期的に送信され、ホールドタイムが切れる前に少なくとも1回はキープアライブメッセージが受信されるようにします。
タイマーの設定
基本構文
すべてのネイバーに対して BGP タイマーを調整する場合は以下コマンドを使用します。
Router(config-router)# timers bgp keepalive holdtime
特定のネイバー用に調整する場合は以下コマンドを使用します。
Router(config-router)# neighbor [ ip-address | peer-group-name ] timers keepalive holdtime
設定例
キープアライブタイムを30秒、ホールドタイムを90秒に設定する場合は以下のように設定します。
Router(config-router)# neighbor 192.168.1.1 timers 30 90