BGPを使用したPE-CEルーティング

PE-CEルーティングの基本概念

VRF(Virtual Routing and Forwarding): PEルーターは顧客ごとに個別のルーティングテーブル(VRF)を持ち、各顧客のトラフィックを分離し、プライバシーを保護します。これにより、異なる顧客のトラフィックが混在することなく、同じPEルーターを経由しても独立したネットワーク接続が維持されます。

PEルーター(Provider Edge): MPLSバックボーンネットワークに接続されたサービスプロバイダー側のルーター。複数の顧客のネットワークを接続し、各顧客のVPNを分離して管理します。

CEルーター(Customer Edge): 顧客のネットワークのエッジに配置され、サービスプロバイダーのPEルーターに接続されるルーターです。

BGPを使用したPE-CEルーティングの流れ

  1. VRFの作成: PEルーターは顧客ごとにVRFを作成します。各VRFには、その顧客専用のルーティングテーブルがあります。
  2. BGPセッションの確立: PEルーターとCEルーター間でBGPセッションを確立します。これにより、CEルーターからPEルーターに接続するための経路情報がBGPを通じて交換されます。
  3. ラベルの付与と転送: MPLSバックボーン内では、PEルーターが各顧客のVPNトラフィックに対してラベルを付与し、そのラベルに基づいてパケットが転送されます。これにより、トラフィックが顧客ごとに分離され、セキュアに転送されます。
  4. BGPでの経路交換: PEルーターはCEルーターから受信した経路情報をVRFに反映し、他のPEルーターとBGPを介してVPN経路情報を交換します。この際、RFC 4364(BGP/MPLS IP VPNs)に従い、VPNv4アドレスファミリーが使用されます。
  5. 経路選択とルーティング: 各PEルーターは、BGPによって交換された経路情報を基に最適なルートを選択し、顧客のネットワークに対してパケットを転送します。

BGPを使用したPE-CEルーティングの設定

VRFの作成

各顧客には個別のVRFがPEルーターに設定され、それぞれのVPNは別個のルーティングテーブルを持ちます。VRFを使用して、異なる顧客のトラフィックが分離されます。

BGPの設定(PE-CE間のBGPセッション)

PEとCEルーター間にBGPセッションを確立します。このBGPセッションは、通常、内部BGP(iBGP)または外部BGP(eBGP)で行われます。BGPを使用して、顧客ネットワークのプレフィックスがPEルーターに伝達され、PEルーターはこれらの経路をMPLSバックボーン内の他のPEルーターに広告します。

設定後、CEルータとPEルータの間でBGPネイバーが確立します。

MP-BGP(Multiprotocol BGP)の設定

MP-BGPは、BGPの拡張版で、MPLS VPNにおいて重要な役割を果たします。MP-BGPは、PEルーター間でVPNv4アドレスを交換し、各VPNに対応するルーティングテーブルを管理します。
MP-BGPは、通常のBGPのIPv4経路だけでなく、VPNv4(VPN対応のIPv4)アドレスを交換できるようにするための機能です。

設定後、PEルータ間でBGPネイバーが確立します。

ラベルの交換(MPLSバックボーンの設定)

MPLSバックボーン上では、各PEルーター間でラベルスイッチパス(LSP)が確立され、顧客のトラフィックがラベルベースで転送されます。

設定後、LDPネイバーが確立します。

IGP(Interior Gateway Protocol)の設定(OSPF)

PEルーターとPルーター(プロバイダールーター)間の経路を確立するためには、OSPFやIS-ISなどのIGPが必要です。これにより、MPLSバックボーン内でPEルーター同士の接続が確立されます。

設定後、OPSFネイバーが確立します。

設定後

設定完了後、CE-Router1からCE-Router2まで、CE-Router3からCE-Router4までPingを実行して応答が返ってくるようになりました。

tracerouteを実行すると、それぞれ付与されているラベルが違うことが確認できます。

参考文献

MPLS: Layer 3 VPNs Configuration Guide

MPLS Virtual Private Networks

Multiprotocol BGP MPLS VPN