PIM AutoRP

PIM AutoRPとは

AutoRPとはCisco独自のPIM(Protocol Independent Multicast)環境におけるRP(Rendezvous Point)の設定と管理を自動化するためのメカニズムです。RPはPIM-SM(Sparse Mode)において重要な役割を果たし、マルチキャスト送信者と受信者が最初に接続するための仲介点です。

通常、RPは手動で設定する必要がありますが、Auto-RPを使用することで、ネットワーク内の特定のルーターがRPとしての役割を自動的に選出され、PIMドメイン全体にそのRP情報が配布されるようになります。

Auto-RPの主なコンポーネント

  • RP マッピングエージェント(RP Mapping Agent)
    RPマッピングエージェントは、受信したRPアナウンスを集約し、最適なRPを選定して、その情報を全てのPIMドメインのルーターに通知します。この通知には別の特定のマルチキャストグループアドレス(224.0.1.40)が使用されます。
  • RP アナウンスルーター(RP Announce Routers)
    RPの候補となるルーターが、自分自身をRPとしてアナウンスします。このアナウンスは、特定のマルチキャストグループアドレス(通常、224.0.1.39)を使って行われます。

PIM AutoRPの設定

基本構文

1.IPマルチキャストルーティングの有効化

ルータでIPマルチキャストルーティングを有効にします。
Router(config)# ip multicast-routing

2.RP候補の設定

RPとして機能するルータに対して、RP候補を設定します。この設定では、RP候補がネットワーク内にRPアナウンスを送信するための仕組みを構成します。
Router(config)# ip pim send-rp-announce interface-id scope ttl group-list access-list-number interval seconds

コマンド内容
interface-id候補 RP アドレスとしてアドバタイズされるインターフェイスを指定します。
scope ttlホップの存続可能時間値を指定します。
group-list access-list-number マルチキャストグループを指定。group-list が指定されていない場合、スイッチは すべてのグループの候補 RP になります。
interval secondsアナウンスメント メッセージを送信する頻度を指定します。デフォルトは 60 秒です。範囲は 1 ~ 16383 です。

3.Mapping Agent(マッピングエージェント)の設定

Mapping Agentは、ネットワーク内のRP候補の情報を収集し、それを基に最適なRPを選出してネットワークに配布する役割を果たします。通常、この設定は1つのルータに対して行います。

Router(config)# ip pim send-rp-discovery scope ttl

4.各インターフェースでPIMスパースデンスモードを有効化

マルチキャストルーティングに参加するインターフェースでPIMスパースデンスモードを有効にします。
Router(config)# interface interface-id
Router(config-if)# ip pim sparse-dense-mode

「ip pim autorp listener」コマンドをグローバルコンフィギュレーションモードで実行することでスパースモードでもAutoRPが有効になります。

設定例

設定完了後、マルチキャストアドレスにpingを実行してリプライが返ってきます。