Policy-Based Routing(PBR)について学ぶ

Policy-Based Routing(PBR)とは

従来のルーティングは、宛先 IP アドレスの ルーティングテーブル情報に基づいて ネクストホップに転送します。
ポリシーベース ルーティング(PBR)は、送信元アドレス、送信元ポート、宛先アドレス、宛先ポート、プロトコル、またはこれらの組み合わせの条件に基づいて 特定のトラフィックを指定のネクストホップに転送することができます。

ASA: Policy Based Routing (PBR) について

要するに、従来の静的ルーティングやOSPFやBGPの動的ルーティングとは別のルーティング手法であり、特徴として複数の組み合わせの条件でルーティングの制御ができるということですね。

トポロジ

以下のトポロジで設定を確認していきます。(今回はR2,R5は使用しません)

Policy-Based Routing(PBR)の設定方法

Policy-Based Routing(PBR)はroute-mapを使用して制御したい通信を定義してIFに適応させることで通信の制御ができます。route-mapではset ip default next-hopコマンドとset ip next-hopコマンドを使用して通信のネクストホップを設定します。

set ip default next-hopコマンドは、ルーティングテーブルに宛先IPアドレスが存在するかどうかを確認し、次の操作を実行します。

  • 宛先 IP アドレスが存在する場合、このコマンドは、パケットのポリシー ルーティングを行わずに、ルーティング テーブルに基づいてパケット転送をします。
  • 宛先IPアドレスが存在しない場合、コマンドはパケットをポリシールーティングし、指定されたネクストホップに送信します。

set ip next-hopコマンドは、指定されたネクストホップの存在を確認し、次の点を確認します。

  • ネクスト ホップがルーティング テーブルに存在する場合、このコマンドは、ネクスト ホップへのパケットのポリシー ルーティングを行います。
  • ネクスト ホップがルーティング テーブルに存在しない場合、このコマンドは通常のルーティング テーブルを使用してパケットを転送します。
ネクストホップコマンドを使用したポリシーベースルーティングの設定  

①Route-mapの設定・Interfaceに適応

※戻りの経路に必要な静的ルートも設定します。

動作確認

PBR適応前

PBR適応後

②Route-mapの設定・Interfaceに適応

ちなみにPBRはインターフェイスに1つしか設定できず、既存の設定は上書きされます。

動作確認