スパニングツリープロトコル(STP、RSTP)の動作

STPで使用されるポート

主なポートの役割は以下の通りです。

ポート役割
ルートポートルートブリッジ以外のスイッチで、ルートスイッチまでの経路コストが最も低いポート
指定ポート ルートブリッジに最も近いポート
ブロッキングポートルートポートにも指定ポートにも選ばれなかったポート。

STPの各ポートの状態

STPを使用するスイッチ上の各レイヤ2インターフェースは、次のいずれかの状態になります。

状態内容遷移
Blockingポートは、ループを防ぐためにデータフレームを転送しな
いよう設定されています。BPDUを受信して、ネットワー
クのトポロジー情報を収集しますが、フレームの転送は行
いません。
ポートは、トポロジーの変更がない限りこの状態
を保持します。ルートポートまたは指定ポートと
して選定された場合、リスニング状態に遷移しま
す。
ListeningポートはSTPのプロセスに参加し始め、BPDUを送受信し
ますが、まだデータフレームの転送は行いません。この状
態で、ポートはトポロジーの変化を確認し、ループの有無
をチェックします。
ポートは、一定時間(デフォルトでは15秒)
この状態に留まり、その後ラーニング状態に
進むか、再度ブロッキング状態に戻ります。
Learningポートは、データフレームをまだ転送しませんが、受信し
たフレームのMACアドレスを学習して、MACアドレステ
ーブルを更新します。
ポートは、一定時間(デフォルトでは15秒)
この状態に留まり、その後フォワーディング状態
に進むか、再度ブロッキング状態に戻ります。
Forwardingポートは、データフレームを送受信する準備が整い、ネ
ットワークトラフィックを通常通り転送します。この状
態は、ポートがSTPトポロジーの一部として完全に機能し
ていることを示します。
ポートは、何らかのトポロジー変更やネットワー
ク障害が発生しない限り、この状態を保持しま
す。ネットワークトポロジーの変更が検出された
場合、ポートはブロッキング状態に戻ることがあ
ります。
Disabledポートは無効化されており、STPのプロセスには参加しま
せん。管理的に無効化されている場合や、リンクがダウン
している場合にこの状態になります。
管理者がポートを有効にするか、リンクがアップ
することで、ポートはブロッキング状態に遷移し
ます。

ネットワークトポロジーの決定の流れ(STP)

1.STPの起動

スイッチが起動し、STPが有効になると、すべてのスイッチポートはデフォルトでブロッキング(Blocking)状態に設定されます。また、各スイッチは自分自身をルートスイッチとして機能します。そして、各ポートを通じてBPDU(ブリッジプロトコルデータユニット)を送信し、スパニングツリートポロジーを計算します。

2.ルートスイッチの選出

ネットワーク内の1つのスイッチがルートスイッチとして選出されます。各VLANで、最も低いBridge ID(プライオリティとMACアドレスの組み合わせ)を持つスイッチがルートスイッチになります。全てのスイッチがデフォルトのプライオリティ(32768)に設定されている場合、MACアドレスが最も低いスイッチがルートスイッチになります。

3.ルートポートの選択

ルートスイッチ以外の各スイッチに対して、ルートポートが選択されます。これは、ルートスイッチにパケットを転送する最適なパス(最低コスト)を提供します。

4.指定スイッチと指定ポートの選択

各LANセグメントごとに指定スイッチが選ばれます。指定スイッチは、そのLANからルートスイッチにパケットを転送する際に最も低いパスコストを持つスイッチです。指定スイッチに接続されるポートを指定ポートと呼びます。

5ブロッキングポートの選択

各スイッチは、ルートポートおよび指定ポートに選ばれなかったポートをブロッキング(Blocking)ポートに設定します。

6.BPDUの交換と状態遷移

スイッチは定期的にBPDUを送信し、優位情報(より低いブリッジIDやパスコスト)を含むBPDUを受信すると、その情報を保存し、更新されたBPDUを転送します。劣位情報(現在保存されている情報よりも劣るもの)は破棄されます。

RSTPで使用されるポート

主なポートの役割は以下の通りです。

ポート役割
ルートポート非ルートスイッチ上のポートでルートブリッジまでの経路コストが最も低いポート
指定ポートルートブリッジに最も近いポート
代替ポートスパニングツリーのルートブリッジへの代替パスを提供するブロックされたポート
バックアップポート同じスイッチで同じセグメント上に複数の指定ポートがある場合に使用されるポート。

RSTPの各ポートの状態

RSTPを使用するスイッチ上の各レイヤ2インターフェースは、次のいずれかの状態になります。

状態内容遷移
Discardingポートはデータフレームを転送しません。BPDUを
受信し、トポロジーの変化を監視しますが、MAC
アドレスの学習やデータフレームの転送は行いません
収束プロセス中に、ポートがラーニング状態また
はフォワーディング状態に進むまでの間、一時的にこ
の状態に留まります。
Learningポートはまだデータフレームを転送しませんが、受
信したフレームからMACアドレスを学習し、MAC
アドレステーブルを更新します。BPDUの送受信を
行い、トポロジー情報の交換を続けます。
ルートポートまたは指定ポートとして選定された場合
この状態からフォワーディング状態に遷移します。
Forwardingポートはデータフレームを送受信し、ネットワーク
トラフィックを転送します。BPDUの送受信も行い、
ネットワークトポロジーの維持と更新を行います。
ルートポートや指定ポートとして選定されたポートが
ラーニング状態からこの状態に遷移します。

ネットワークトポロジーの決定の流れ(RSTP)

1.STPの起動

スイッチが起動し、RSTPが有効化され、すべてのスイッチポートはデフォルトでディスカード(Discarding)状態に設定されます。また、各スイッチは自分自身をルートスイッチとして機能します。そして、各ポートを通じてBPDU(ブリッジプロトコルデータユニット)を送信し、スパニングツリートポロジーを計算します。

2.ルートスイッチの選出

ネットワーク内の1つのスイッチがルートスイッチとして選出されます。各VLANで、最も低いBridge ID(プライオリティとMACアドレスの組み合わせ)を持つスイッチがルートスイッチになります。全てのスイッチがデフォルトのプライオリティ(32768)に設定されている場合、MACアドレスが最も低いスイッチがルートスイッチになります。

3.ルートポートの選択

ルートスイッチ以外の各スイッチに対して、ルートポートが選択されます。これは、ルートスイッチにパケットを転送する最適なパス(最低コスト)を提供します。

4.指定スイッチと指定ポートの選択

各LANセグメントごとに指定スイッチが選ばれます。指定スイッチは、そのLANからルートスイッチにパケットを転送する際に最も低いパスコストを持つスイッチです。指定スイッチに接続されるポートを指定ポートと呼びます。

5.代替ポート(Alternate Port)とバックアップポート(Backup Port)の選択

各スイッチは、ルートポートに選ばれなかったポートを代替ポート(Alternate Port)、同一セグメントで指定ポートになれなかったポートをバックアップポート(Backup Port)に設定します。

6.BPDUの交換と状態遷移

スイッチは定期的にBPDUを送信し、優位情報(より低いブリッジIDやパスコスト)を含むBPDUを受信すると、その情報を保存し、更新されたBPDUを転送します。劣位情報(現在保存されている情報よりも劣るもの)は破棄されます。

参考文献

Configuring Spanning Tree Protocol